コケ植物の話が続きます。
朽ち木の表面を覆っている、マットのようなコケ。
これは、エダウロコゴケモドキといいます。
近くで見ると、糸のように細いものが密集して生えているように見えます。
ヒゲゴケ科に分類されています。
顕微鏡で40倍に拡大すると、その1本1本はこんな形をしています。
このコケの面白いところは、この葉の表面にあります。
この一枚の葉をちぎってプレパラートをつくり、600倍で観察してみると、なんとひとつひとつの細胞の表面に1個ずつ、突起があるのです。
これは、突起を真上から見ているので、よく分からないかもしれませんが、ピントをわずかにずらしながら観察すると、緑色の丸いものが立体的になっているのがわかるのです。
この突起をパピラと言います。
本当なら、葉の切片をつくって、横から観察できれば突起がよく分かるはずなのですが、それをつくる道具も技術のないので、素人はここまでが限度です(T_T)
せめて極細精密ピンセットくらい欲しいな〜と思って、ネットで検索してみたら、ひとつ8,100円でした。
2個は必要ですから、16,200円かぁ。高いな・・・。
実はこの葉1枚をちぎるのも、双眼実体顕微鏡40倍で覗きながら、カッターで先を細く削った爪楊枝を2本使い、大変苦労して茎から引きちぎったのです。
手元にある最も先の細いピンセットを使っても、バットの先でサクラの花びらをつかむようなものなのですから。