中3の天文分野で、「天球上を動く、1日の太陽の動きを記録する」という実験があります。
これまで教える順番としては、
1日の太陽の動き→1日の星の動き→1年の星の動き→季節による星座の移り変わり
→季節による南中高度の違いと地軸の傾き
とやってきましたが、今年は次のように順番を変えてみました。
1日の星の動き→1年の星の動き→季節による南中高度の違いと地軸の傾き
→春分・秋分、夏至、冬至の1日の太陽の動き→季節による星座の移り変わり
透明半球を使った太陽の動きの記録は、この時期雪が降ることの多い北国では実際にやりにくい実験です。
それでも、今までは日当りのよい教室の窓辺などに置いて、休み時間ごとに記録を取らせたりしていたのですが、今年赴任した学校はそのような場所もなく、記録を取らせるのは不可能でした。
そこで今年試してみたのは、疑似太陽での記録。
このように、地球儀の上にミニ透明半球を取り付けてみました。
観測地は青森県です。
これに、教室の中心に下げた疑似太陽の位置を天球上に記録していきます。
太陽を動かすのではなく、地球を自転方向に少しずつ動かして、サインペンの影が青森県に来るように記録をとるのです。
これは、太陽が動きは見かけの運動で、原因は地球の自転であるということを確認させるのにも効果的です。
ここで例年と違うのは、すでに地軸の傾きを勉強しているので、冬至の日の地球の向きと、春分・秋分の日の地球の向きを考えて2通りの太陽の記録をとらせたことです。
夏至を記録させなかったのは、単に地球儀の形状の関係で透明半球を回せなかったからです(^^;
これは冬至の正午
これは秋分の日の出
これは秋分の日の入り
という具合にです。
教室の照明を消して、中央の疑似太陽の光だけで、10班すべての記録が同時にとれました。
生徒の記録も案外きちんとできていて、天球上に2本の平行線が引かれていました。
この実験、結構おすすめかもしれません。
この単元がこれからという方、追実験をやってみてください。